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テーマ
社員数10名以下の労働時間


事例
調剤薬局は1カ月単位の変形労働時間制を利用できるか?


考察のポイント
労働時間の管理 残業 36協定 時間外労働



1箇月単位の変形労働時間は、

月初は時間的余裕があるが、月末が忙しい場合などに導入することが適している制度といえます。



1箇月単位の変形労働時間制とは、


  1箇月以内の一定の期間を平均して、

  1週間の労働時間が週40時間以下になっていれば、

  忙しい時期の所定労働時間が1日8時間、週40時間を超えていても、

  時間外労働とはならないという制度です。



  また、特例措置対象事業場においては 週44時間以下であれば時間外労働とはなりません。


  特例措置対象事業場
業種該当するもの
商業卸売業、小売業、理美容業、倉庫業、駐車場業、
不動産管理業、出版業(印刷部門を除く。)その他の商業
映画・演劇業映画の映写、演劇、その他興業の事業(映画製作・ビデオ製作の事業を除く。)
保健衛生業病院、診療所、保育園、老人ホーム等の社会福祉施設、
浴場業(個室付き浴場業を除く。)、その他の保健衛生業
接客娯楽業旅館、飲食店、ゴルフ場、公園・遊園地、その他の接客娯楽業



 設例では 社員数10名未満の調剤薬局ですので、 この特例措置の対象事業場となります。

 ※ 調剤薬局 も 商業に分類されます。



適用要件

(1)労使協定などに定めていること

   労使協定または就業規則その他これに準ずるものにより、定める必要があります。

   なお、使用者は、1箇月単位の変形労働時間制を採用する場合には、

   育児を行う者 や 老人等の介護を行う者 等 特別の配慮を要する者が、

   育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならないこととされています。



(2)労使協定 又は 就業規則の届出について

   労使協定による場合は、1箇月単位の変形労働時間制に関する協定届
   (労働基準法施行規則様式第3号の2)

   を所轄労働基準監督署長に届出る必要があります。


   また、就業規則その他これに準ずるものに定める場合は、

   常時10人以上の労働者を使用する事業場にあっては、

   就業規則に定めるとともに就業規則を所轄労働基準監督署長に届出る必要があります。



(3)対象期間 と 起算日の明確化

   1箇月以内であること。

   また、労使協定などにより、各日、各週の労働時間を

   あらかじめ具体的に定めておく必要があります。

   使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しません


   ※ あらかじめ具体的に定める ことを順守してください。



(4)変形期間における法定労働時間の上限

   法定労働時間の上限は、以下の式によって計算されます。

   40(時間)×変形期間の暦日数/7

   計算式を使うことは面倒だ! という方は 次の一覧表をご利用ください。


変形期間 期間内の労働時間上限 (1週40時間) 期間内の労働時間上限 (1週44時間)
31日 177.1時間 194.8時間
30日 171.4時間 188.5時間
29日 165.7時間 182.2時間
28日 160.0時間 176.0時間


 
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